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歴史総合新設より日本史世界史必修に [でもでも教師日記]

高校に歴史総合という科目の新設が予定されている。
 
現在、世界史が必修で日本史・地理が選択になっている。日本史を学ばなくても卒業できるのはおかしいという意見があり、歴史総合で日本史と世界史をミックスして学び、その後、日本史・世界史・地理を選択させるという発想らしい。
 
高校の教員からみると「またか」とうんざりさせられる光景である。
 
1960年代、地理・日本史・世界史はすべて必修であった。ところが、現代社会で入門編を学んでから選択させるという方針で現代社会が導入され、日本史・世界史・地理は選択になった。
 
すると、世界史選択者が減ってしまい、「国際時代を迎えて世界史を学ばないのはおかしい」と言って世界史を必修にした。世界史を必修にした結果、地理・日本史のどちらかは選択しないことになる。日本史・世界史の両方を必修にすると時間が足らないので歴史総合を新設しようというのだろう。
 
こういう、ハイブリッドタイプで単位の少ない科目が上手くいくことはない。40年前に導入された現代社会は今に至るもまともな科目扱いされておらず、高校現場に現代社会の専門家はいない。
 
本来、日本史・世界史・地理は必修だったのだから、3科目とも必修に戻せば良さそうなものだが、それはできない事情がある。根本的な原因は、授業時間数の減少である。
 
50年前、一週間は34コマ、3年間で102コマであった。ところが、週5日制で週に4コマ減って30コマ、3年間で90コマになった。さらに、情報で2コマ、総合学習で3コマ消費するので、85コマになる。
 
総コマ数が減っているので、社会科に割り当てられるコマ数が減る。減ったコマから現代社会に2コマを割く。だから、50年前には実現できていた日本史・世界史・地理の必修が不可能になった。
 
こうした根本原因から目をそむけて、社会科のなかをいじりまわす。愚かなことである。今でも中学校の社会科の歴史が日本史中心になっていて、世界史の知識がない生徒たちが高校に入学してくる。この生徒たちに「歴史総合?」。何を考えているのやら。
 
この原因は、大学の先生たちが高校社会科をいじくりまわすところにある。日本史業界・世界史業界・地理業界の先生たちの勢力争いである。
 
大学の先生は、歴史の一分野を深く研究しているが、世界史全般・日本史全般を研究しているわけではない。ましてや、日本史も世界史も地理も含む社会科を担当したこともない。彼らは社会科の専門家ではないのである。専門家でない人たちがいじくりまわすので、いじればいじるほど現場は混乱する。これが、高校社会科の現状。
 
そうそう、かつての社会科は地歴科・公民科に分割されている。一年の現代社会は公民科、なので地歴科の免許しかない先生は一年生の担任ができない。社会科を地歴科・公民科に分割した人たちが高校現場に無知であることが、この一事に露呈している。
 
それでは、私が解決案(日本史・世界史・地理すべて必修)を示す。生徒の週5日制と教育労働者の週休2日制には別個の問題である。そこで、教師の定数を2割増やして土曜も6時間授業をする(スーパーが交代勤務で年中無休にしているのと同じ原理)。次に、高校の校舎をエアコン完備にして夏休みを短縮する。これで、授業時数が確保できたので、日本史・世界史・地理をすべて必修にする。現代社会は廃止する。歴史総合は作らない。
 
1960年代の日本史・世界史・地理すべて必修時代を経験した人たちは、まもなく教育現場を去る。
 
この半世紀、社会科は授業時数の減少と選択科目やハイブリッド科目の増加でぐちゃぐちゃになってしまった。社会科を日本史・世界史・地理・倫社・政経の必修というシンプルなスタイルに戻して安定させる。そのうえで、高校の先生と大学の先生が協働して各科目の内容を熟成する。
 
どの科目を必修にするのか?という迷いは捨てなければならない。

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