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塾や予備校は学校に勝る [700文字のエッセイ]

久しぶりに面白い本を読んだ。書名は「大学教育の変貌を考える」
 
塾や予備校は学校よりも有効に機能する。保護者や生徒はそれを本能的に知っているから学校より塾や予備校を頼りにする。その理由を理論的につきつめたのが、本書の第四章「褒める教育と叱る教育のパラドックス」である。
 
学園ドラマでは「金八先生」も「GTO」も教室外で先生が活躍する。教師の本務は授業であるにもかかわらず、彼らは授業をしない。教師の本務は授業を受けたい生徒に授業で学力をつけることなので、教師は金八先生になどなりたくないのである。
 
「出席管理だの私語への注意だの生活指導だのは、スクールポリスなり学校監督官なりにやっていただきたい。そもそも講演会を開催しておいて、受付業務や迷惑行為をする客への対応まで講演者に任せる阿呆な主催者が、どこの世の中にいるだろうか」という本書の一節は、教師の本音である。
 
ただ、教室に生徒を入れ、学習意欲を高めてやることが教師の本務であると思っている教師が少数ではあるが存在する。また、教育行政は教室に生徒を入れて学習意欲を高めてやることが教育であるという建前をとっている。
 
少数派の理念や教育行政の建前と教師多数派の本音は矛盾をきたし、その矛盾をついて塾や予備校が信頼を得てきたのが日本の教育の現状である。
 
というような現実を見据えたうえで、本書はノン・エリートの高等教育や中等教育を論じる。本書の著者は大学進学率は高い方がよいという立場に立つが故に、ノン・エリートの教育を真剣に考察している。教育論のなかでは秀逸の一冊だと思う。

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